ウミウシって聞いたことありますか??
小さくてとってもカラフルで綺麗な、まさに「海の宝石」と呼べるような種類がたくさんいます。そんな「海の宝石」をご紹介します!
生物学的に言うと・・・
軟体動物門腹足綱直腹足亜綱異鰓上目に属する一グループに属します。 ウミウシの厳密な定義はなく、全く貝殻を持たない裸鰓類(らさいるい)を示すことが多いのですが、体内に退化した貝殻をもつ種も含めた後鰓類(こうさいるい)をさすこともあります。 後鰓類の名称は、鰓(えら)が心臓の後ろに位置する事から名づけられています。
上記の様にウミウシはまだまだ分かっていないことが多く、現在も研究が進められています。まだまだ、海の生物は分からないことが多いですね‥。
ウミウシかどうかの判別
身体の大きさは30cmほどの大きなアメフラシから数ミリの小さなものまでありますが、普通は数cm前後のものが多いようで、体型もナメクジ状、イボイボ状、ミノを着たもの、トゲトゲ状など千差万別です。ウミウシのなかにはフワフワと水中を浮遊するものや砂に潜るものもいます。
これまでに分類されているウミウシは数千種類以上いますが、しかも、今現在新種もどんどん発見され続けています!!もしかしたら、自分でも発見できちゃうかも??!
食べ物は種類により多種多様で海藻を食べるもの、海藻の液を吸い取るもの、カイメンやホヤ類を食べるもの、ヨコエビなどの動物を捕食するもの、さらには他の種類のウミウシを食べてしまうものさえいる逞しさです。
ウミウシの雄と雌
ウミウシは雌雄同体、1個体がメスでもありオスでもあるのです。極端な話、オスでもありメスでもあるわけなので自分の精子で自分を受精させることも出来ますが、それは基本的にはしないです。
ウミウシには明暗の差が認識できるくらいの視力しかないため出会いの鍵は匂いにあります。ウミウシは自分の這い跡に必ず匂いを残します。その匂いをたどり他のウミウシが追いかけていくのです。そしてお互いに広い海で出会うと体の右側と右側をくっつけ、交接管をくっつける。そして互いの精子を交換しあい不思議な事にその両方が卵を産んでしまうのです。さらにウミウシの仲間のアメフラシは雌雄同体で体の前が雄、後ろが雌になっています。なので2匹3匹4匹とどんどん連結して交尾する事が可能な変わり者です。
ウミウシの見つけ方
ウミウシの生息地
ウミウシの観察できる場所はまちまちです。潮通しの良い岩肌で観察できることが多いのですが、砂地に生息するウミウシもいますし、海藻の上で観察できる仲間もいます。
また体内に褐虫藻を有したウミウシは比較的水深の浅い日当たりのよい場所でよく観察できます。夜行性のウミウシなどは日中は、岩の下や割れ目の中に隠れています。
ウミウシを上手に見つける方法
1、泳ぐのをやめる!
カラフルな魚を追いかけたり地形のダイナミックさに気を取られ過ぎるとよほど目立つものならともかく小さなウミウシを見つけることは出来ません。ウミウシの良そうな場所で止まりじっくり探してみましょう。
2、凪が続く時が狙い目!
海が荒れているときはウミウシも壁の隙間や岩のくぼみの奥のほうに潜り込んでしまいます。そして嵐が過ぎ去り凪の日が続くようになると外に出て活発に動き出すようになります。そのためか湾のようになっていて大きな波が入りにくいダイビングポイントには他の場所よりも多くのウミウシが集まってきます。
3、多くなる冬から春を狙う!
日本国内で見られるウミウシの多くは12月~4月にかけて集中的にみられます。なぜかというとこの時期に日本の海は海藻が生い茂るからです。海藻を食べる草食性のウミウシはこの時期に多くなり、それを狙う肉食性のウミウシも多く現れるようになります。
ウミウシの卵
海中の岩等に張り付いているカラフルなリボンのようなものがウミウシの卵です。バラの花のように何重にも巻いてあるものもありとても綺麗です。
ウミウシの恋の季節は2月~4月なのでこの時期には様々な場所で見ることが出来ます。
観察するときの注意点
ウミウシ観察をするうえで一番注意しなければいけないのはロストです。下を見て探すという動作をすると、どうしてもバディ・インストラクターの動きを意識する事が出来なくなってしまいます。ウミウシを探したり観察しているうちにロストという事がとても多いので、いつでも意識するようにしましょう。特に自分でウミウシを発見した場合には全員で観察できるように教えてあげましょう。
次に注意する必要があるのがウミウシに触らないことです。ゆっくり動くウミウシは簡単に捕まえて移動させることが出来ますが種類によっては体の一部を溶かしてしまう個体も居るんです!何気ないことでも、大きなダメージを与えてしまうこともあります・・。
また基本的に水中の生物に触るということはしてはいけません・・!特に写真撮影をする場合は移動させがちなので気をつけて下さいね。
ウミウシを上手に撮るコツ!
ウミウシを上手に撮影するコツ
1、出来るだけ近づいて撮影する。
ウミウシはあまり動かないので近寄る事はとても簡単です。カメラのピントが合うギリギリまで近寄っていきましょう。この時、ズームを使ってしまうと水中の浮遊物が写ってしまったり、被写体がブレてしまう原因になるので出来るだけカメラ自体を近づけて撮影しましょう。
2、触角にピントを合わせる。
ウミウシの目はわかりにくいので触角にピントを合わせて写真を撮るようにすると生き生きとした写真になります。絞りを調整してウミウシ全体にピントを合わせてもいいですし、触角のみにピントを合わせても面白い写真にする事が出来ます。
3、同じ目線で撮る。
ウミウシは水底にいることがほとんどの為、よく目にするのが上から撮り下ろす写真になってしまいます。ですがそのような写真だと背景と同化してしまいウミウシが何処に居るのか分かりづらいですし、強調する事が出来ません。なので出来るだけウミウシと同じ目線になるまでカメラを下げて撮影するようにしてみましょう。
必要なもの
・ダイビング器材
・水中カメラ
・マクロレンズ
・水中ライト
・ウミウシ図鑑
PADI ディスティンクティブ・スペシャリティ・コース
・ウミウシフォトグラファー
ウミウシ撮影によくある「大きく撮れない・ピントが合わない・白飛び」を克服する為に効果的な撮影方法を理解し、言葉では説明しにくい、肉眼では確認しづらいカラフルな色や奇妙な形を持つウミウシを写真に収めることが出来るコースです。
どうでしたか?「海の宝石」探しに行きたくなりますね!自分で見つけると、うれしさもまた格別!是非、挑戦してみてください♪