誰もが癒される優しい顔のイルカ。やはり一度は一緒に泳いでみたいと思っている人も多いでしょうね。

日本でも野生のイルカと一緒に泳ぐ事ができる島があるってご存知ですか?

そう、伊豆七島のひとつ御蔵島です!

毎年6月~10月のシーズンは初めてイルカと泳ぐ方やリピーターの方で島は大賑わい。
さて、御蔵島はいったいどんなところでしょう?イルカと泳ぐにはどんな事を知っておくべきでしょうか?

御蔵島は地球でも希少環境

東京から南へ約200km、三宅島の南約18kmに位置する「御蔵島(みくらじま)」。
伊豆諸島に属し、なんと東京都です。島は大変豊かな原生林に覆われています。島は周囲約16km、人口はわずか300人ほど。自然豊かな島です。
島の周辺には野生のミナミハンドウイルカが約130~150頭ほど生息し、毎年3/15〜11/15の期間限定でドルフィンウォッチングやドルフィンスイムができるのです!島の周辺は黒潮の影響を大きく受けて、魚が豊富でイルカにとって子育てするのに最適。親子イルカに出会える機会も多いのです。

世界でも野生のイルカと一緒に泳げる場所は数か所と限られていて、有名なところではバハマ(バハマ国)とモンキーマイア(西オーストラリア)と御蔵島あたりです。飼育下でイルカと触れ合えるところもありますが、野生のイルカと一緒に泳げるのは世界でも大変珍しいんです!

 

行き方2種

御蔵島へ行く手段は、飛行機で行く「空路」と、船で行く「航路」があります。

・「空路」で行く

空路と言っても御蔵島には空港がないので直行便はありません。なので、伊豆大島や八丈島に一度渡ってからフェリーやヘリコプターで御蔵島入りというルートになります。
八丈島への便は、ANAが1日3便出しています(羽田発)。八丈島から御蔵島までは、フェリーで約3時間です。八丈島までは飛行機で45分ですが、フェリーのタイミング次第では1日八丈島で1泊することになってしまいます

ヘリコプターは、東邦航空の「東京愛らんどシャトル」が定期運航しています。
八丈島から御蔵島までは、ヘリコプターで25分です。

・「航路」で行く

もうひとつは竹芝桟橋から毎日運航しているフェリー「橘丸」に乗船して、三宅島経由で御蔵島までのんびり船旅。東京竹芝桟橋を夜に出港して、翌朝早朝に到着!船中泊になります。

スケジュールは、22時30分竹芝桟橋出航 → 翌日05:55御蔵島着です。
(スケジュールは時期によって変動します。)

御蔵島に行くにあたって、シビアなのが「フェリーの欠航」についてです。
御蔵島は、港がひとつのみ。
しかも桟橋が小さく、湾になってないので波や風が強いとフェリーが接岸できないのです。
なので、御蔵島で降りれない、竹芝桟橋からも出港しないということが・・。
朝、御蔵島で降りれない場合は、御蔵島を通過して、フェリー終点の八丈島まで行きます。
その後午後に折り返して再度御蔵島へ再挑戦!
もちろん帰りの船も着岸できずに降りられない・・帰れないという状況も起きてしまいます。
その場合は、八丈島や三宅島まで漁船かヘリコプターで行くという最終手段があります。
日程に余裕をもって計画されたほうが安心です。

イルカは御蔵島の島民?

御蔵島には、約130~150頭のイルカが住んでいます。しかも、そのほとんどのイルカは、ヒレや体に残る傷を元に個体識別され名前がつけられています。まだ、傷が少ない若いイルカは識別されていない個体もいます。
名前も、「アトカケ」、「マエカケ」、「シャクレ」といったように、なんともカワイイ名前!イルカの生態を知るためにも、貴重なデータなのです。

個体識別できたイルカの数、生まれた赤ちゃんの数、新しく識別できるようになったイルカの数、見られなくなったイルカは誰? 昨年生まれの赤ちゃんは今年もいる?
などなど、しっかり調査されているわけです。

 

イルカと上手に泳ぐスキル

ドルフィンスイムを楽しむためにはダイビングのように資格は必要ありません。 しかし、イルカと楽しく遊べるようになるには、まずは足がつかない深さの海であわてないことが必要です。水面に浮いているだけでも、十分楽しめはしますが、やっぱり一緒に同じ目線で泳いでみたいですよね?!

まずはプールや海で練習をしてから御蔵島へ行きましょう!

スノーケリングやスキンダイビングの基本は、練習すれば比較的簡単にできるようになります。
スノーケリングが初めての方は、ドルフィンスイムツアーへ行く前に、スクールへ行っていただくのがオススメです!

イルカのしぐさ

イルカ達は、様々な行動をしています。
ドルフィンスイム中多く確認できる行動をご紹介します。

◆ラビング

イルカ同士でのこすりあい、ふれあい行動です。親しいイルカ同士でしているとされ、親子の間でも頻繁に行われます。撫でているように見えて、とてもかわいらしい行動です。

◆絡み合い

若いオス同士で確認される行動で、イルカ同志が体をぶつけ合ったり、くっつきあってグルグル回ったりと激しく泳ぎます。イルカの交尾の練習ではないかと言われている行動です。

◆休息

イルカは泳ぎながら眠ることができます。イルカは脳を半分ずつ休めることができ、起きている方の脳で呼吸をしたり泳いだり障害物を避けたりしています。
群れでゆっくりとペースを変えずに移動している時のイルカは大抵休息中で、このような時イルカが遊んでくれません。

◆威嚇 

野生の生物ですから、時には機嫌が悪くなったり怒ったりする事もあります。そういった場合には、こちらから正面に向かってきて口を開けたり歯をカチカチ鳴らしたりします。追いかけたりせず、静かに見守りましょう。

◆アイコンタクト

イルカは、目と目で見つめあうアイコンタクトを好む傾向があります。
ちらりとこちらを見ていることもあります。首をこちらに向けて見てくることも。イルカの目をじっと見つめてみましょう。見つめ返してくれるかもしれませんよ!

その他にも、様々な行動をしています。海藻やゴミをキャッチボールしたり、他の生き物を遊びで追いかけたり、仰向けに泳いだり、バブルリングを作ったり・・などなど。

ぜひイルカ達の行動を観察してみましょう!

ドルフィンウォッチングのマナー

1、イルカの自然な行動を妨げない。
2、イルカに触らない。触ろうとしない。
3、イルカに餌を与えない。
4、スキューバダイビングでイルカに接近しない。
5、ホイッスル、ダイビングコンピューターなど、人工音を発する器具は使用しない。
6、水中カメラで撮影するときはフラッシュを使用しない。

息ごらえのコツ

1、心拍数を落とすこと!日々の日々の適当な運動を。有酸素運動が良いです。
2、肺活量を大きくする!腹式呼吸でおお~きく、ゆ~っくりな呼吸を意識してみましょう!息を吐ききることが大切。
3、脳の動きを制御する!酸素消費の大きな脳を、リラックスしてのんびりさせましょう。

息を止めす練習を、少しずつ陸で練習するものオススメ!・・一人でお風呂でやってはいけませんよ。危険ですから・・。深呼吸を2~3回してから、息ごらえをするといつもより長めに出来るようになりますよ。

スーツはこれ!

ドルフィンスイムは何を着たらいいのでしょう??
天気や、水温、ご自身の体感温度に合わせて保温力を選んでください。

ボート上や水面にいることが多いドルフィンスイムでは、日焼け対策が必須です!水着だけだと、やけど状態になってしまうことも・・・ウエットスーツを着用しない場合はラッシュガードを(ウェットスーツを着る時にはインナーになります。着やすさ抜群!)。上下ともに手足首まで覆われてるものをおすすめします。クラゲ対策にもなりますしね!
ですが、ラッシュガードだけでは保温力、浮力はありませんので、ウェットスーツの着用をおすすめします。手足首まであるフルスーツがおすすめ!
特に泳ぎに不安がある方は、ウェットスーツを着用すると簡単にぷか~っと浮くことができます。

全身に浮き輪を着ているような感じですので、ベストなどの浮き具よりも安定感があります!寒くない時期でも、ウェットスーツの着用をおすすめします。案外、暑い日でも長い時間水の中にいると寒くなってしまいますしね。

侮るなシュノーケル

シュノーケルセットは、自分にあった物を使いましょう!

マスク(水中メガネ)の一番大切なポイントはフィット感。顔の形にシリコンが合っているかどうかが重要です。潜るときに耳抜きがしやすいマスクを選びましょう。
ず~っと水が終始入り続けてしまうマスクは不快なだけではなく危険です。もちろんそんなの嫌ですよね・・。視力が悪い方は、矯正レンズを入れることができます。

シュノーケルは、口の大きさや肺活量によって選びます。ずっと口にくわえているマウスピースが大きかったり、口の形に合わないものだと、ストレスを感じてしまいますし、逆に小さすぎると口の中に水が入りやすくなってしまったり・・。あとは、自分の肺活量にあったパイプの太さのものを選びましょう!
シュノーケリングをしていると、シュノーケルのパイプの中に海水が入ることがよくありますし、スキンダイブをしたら毎回必ず水が入ります。入ってきた海水を楽にクリアするには、絶対、排水弁付のシュノーケルがおすすめ!

リピーターが使っているフィンは?

フィンには大きく分けて、かかとの部分がベルトになっているストラップタイプと足全体を包み込むフルフットタイプがあります。足にぴったりのフィンを、脚力に合わせてブレードの硬さや、長さを選びます。

ドルフィンスイムにはフルフットタイプがおすすめです。重量も蹴り心地も軽く、それでいて推進力もしっかりあり!足にヒレが生えた感覚でフィンキックができ、ストラップタイプよりもフィット感があります。水面を長く、スピーディーになるべく疲れず泳ぐためには、自分にしっかり合うものを選びましょう!

器材選びは、失敗しないためにも専門の知識を持ったプロのインストラクターに選んでもらいましょう!

宿などの予約の注意点

御蔵島への観光での来島は宿泊施設の予約が必要とされ、これらの予約がない観光客は上陸できないです。もともと宿泊施設が少ないことに加え、近年のイルカウォッチング人気により、各宿泊施設ではに満室となるケースが多いんです。
御蔵島の宿は、11件しかありません。予約を取るのは、大激戦です・・。
なお、島全域国立公園であるため野宿やキャンプは全域で禁止されてます。

島内には自然保護の観点から「ガイド同伴でなければ立ち入れないエリア」「ガイドがいても立ち入れないエリア」が設けられています。もちろん、バスやタクシーはありません。
島内は急な坂が多いため、事故防止の観点から自転車も使用禁止となっているのです。

ドルフィンウォッチングのマナーや、陸上の決まりなど・・厳しく制限されているからこそ、素晴らしい環境が守られているのですね!いつまでも、野生のイルカが棲む素晴らしい海でありますように!