海の中に季節!?

ダイビングは1年通して楽しめるマリンアクティビティー。陸上では草木、花などの植物で季節を感じるのと同じように、海の中では魚や海藻などの生き物で海の中の季節を感じることができるんです!

しかも、こんなにはっきり四季が感じられる海は、地球上でも珍しいのです!!

首都圏からなら日帰りでもスキューバダイビングを楽しめる伊豆の海の季節は、陸上よりも2〜3ヶ月遅れて変化しています。

「海と言えば、夏!」っていうイメージはありませんか?!

実は、陸上の真夏の8月は水の中では5月か6月でしかなく、9月以降から12月くらいまでが水温が高い季節になります。秋から冬にかけての方が、実はあたたかい季節なんです・・!!

 

黒潮の影響

それともう一つ忘れてはならないのが、黒潮の影響を抜きにすることはできません。

・・黒潮って何でしょうか?

黒潮は日本海流と呼ばれる海の流れのなかでも暖かい水を運ぶ「暖流」の一種です。黒潮は世界でも最大規模の海流と言われています。東シナ海を北上してトカラ海峡から太平洋に入り、日本列島の南岸に沿って流れ、房総半島沖を東に流れる海流です。

 

では、なぜ「」なんでしょうか。それは、海の色が黒いから!・・・本当に青黒っぽい色をしているからなんです。

この巨大な海の川は深く、塩分の濃度が高く、そして流れが速い!プランクトンなどが育ちにくく、多様な生態系にならないのです。ですから、栄養素が乏しく、プランクトンなどの微生物も少ないので、必然的に水の透明度が上がります。

そうすると、海が青黒っぽくみえるのです!

黒潮がもたらす恩恵

・・・しかし、栄養素が乏しい海流です。その黒潮がなぜ、伊豆のダイビングには欠かせないのでしょうか?

重要なのはその規模と海流、そして温度です。

非常に巨大で速い海流は、沖縄などの南の島からカラフルな南国の魚たちの卵や稚魚を連れて来てくれます!
なので、伊豆では亜熱帯性や熱帯性の魚にも出会うことができるんですね。

そして、海水温は暖かくなります。黒潮に近い伊豆半島と、黒潮が入り込んでこない東京湾とでは水温にかなりの差が出るくらいです。

黒潮がもっとも本州に接近するのは秋なのです。ですから、秋から冬にかけてが一番海水温が高く、透明度も黒潮の影響でいっきに増すのです!

黒潮が接近しているか、離れているかで伊豆の海の雰囲気や透明度はまったく変わってしまうくらい。

外気温が温かくなる3月を過ぎると伊豆の海は春の海になります。

水温は、16~18℃。陸上では桜が咲く季節ですが水中は海藻が成長する季節でもあります。

植物性プランクトンの発生によって透明度は落ちてしまいますが、この季節ならではのウミウシや幼魚や産卵行動が観察できます。中でもダンゴウオは一番の人気となっていてこの季節にしか見ることが出来ません!幼魚で数ミリ、成魚でも数センチと見つけるのが難しいですが一度は見てほしい生物です。

ダイバーではない人も海へ行きたくなる季節でもあり、伊豆の海はどこも混みあいます。

水温は20~24℃。季節来遊魚と呼ばれる南の島から温かい黒潮に乗って伊豆へやってくるカラフルな魚たちがこの時期に見られはじめます。

オレンジ色のキンギョハナダイの群れやイサキやタカベ、時々イルカやカメも見ることが出来ます。運がいいとなんと、ジンベイザメやマンタが見れたことも!!

外気温は次第に下がっていく時期ですが、水温は23~27℃とまだ海の中が温かく、南からやってくる季節来遊魚の数もグ~ッと増えてきます。ですのでこの時期は、水の中が最もカラフルな季節になります。

何より、海水浴の人の数が減る季節です。水中も温かいので夏より楽しく快適な季節となっています。

また、季節来遊魚達も伊豆の海に住み着いて、次第に体も大きくなり大きな個体から小さな個体まで幅広く観察出来る時期でもあります。12月に入る頃くらいまでは水中の中も温かく、透明度も高い日が続くのでベストシーズンとも言える季節です。

伊豆の海が最も綺麗になるのがこの季節。

なぜなら、海の中の水温が下がり14~19℃。それによって浮遊物が減り透明度が上がって来るからです。日によっては30m近くの透明度になる時もざらにあるくらいです。

透明度が30m・40mと言えば沖縄や海外の海と同等になりますので、気持ちのいいダイビングが楽しめます。

またこの時期は、普段深い水深に生息する生物達が数多く見ることが出来てアンコウや深海魚の仲間が観察することが出来る。クジラとの遭遇もあるほどこの季節のダイビングは何が見れるかわからない時期です。・・とは言え生き物なので行けば必ず出会える訳ではなく、運も持ち合わせなければならないですけどね。

 

こんなに素晴らしい海の中の季節、是非感じてみてください!!