水中撮影をしよう!
スキューバダイビングは、陸上とは全く違う世界を見ることができるのが魅力。
その水中景観を映像で残すことができる、水中撮影を楽しんでいるダイバーはとても多いです。
ダイビング中に見た、素晴らしい景色やカラフルな生物たちをアフターダイブに見返すのはとても楽しいですよね。
何が必要?
では、ダイビングで「水中撮影をしたい!」と思った時に、必要なカメラはどのようなものがあるのでしょうか?
■コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)?ミラーレス(ミニ一眼)?一眼?
大きく分けると水中カメラの種類は3つあります。
このなかで一番画質がいいのはもちろん一眼レフカメラなのですが、最近のカメラはコンデジでも性能が良く、かなり拡大して使用する目的がなければ、十分な画質といえると思います。
それぞれにメリット、デメリットかありますから、自分がどんな写真を撮りたいのか?や、予算を考えて選んでいきましょう。
・コンデジ
メリット・・・とにかくコンパクト!気軽に水中に持って入ることができます。
水中写真をこれから始めるダイバーは、まずはコンデジをおすすめします。
ダイビングスキルが自信がない方でも、エントリー/エキジットなどに負担になりません。
ワイドからマクロまでオールマイティーに撮影することができます。ダイビング中水中で簡単にモードを切り替えることができます。
機種によっては水中モードを搭載しているので、簡単に水中に最適な色合いにすることができます。
デメリット・・・レンズの交換ができないので、ワイド、マクロなどに特化した写真は他の2つに比べると劣ってしまう。マニュルモードで自分好みの設定がしにくい。
レンズそのものは交換ができませんが、ハウジング(耐水、耐圧のケース)の外側に装着する「外付けレンズ」を使用することで写真の幅を広げることができるようになります。
カメラの機種によっては「外付けレンズ」にもかなりたくさんの種類があり、ワイドレンズ、マクロレンズなど選ぶことができます。
カメラの装備を拡張していきたい方は、カメラの機種を選ぶときにどのようなオプションが付けられるのかを調べてからカメラを選ぶといいと思います。
・ミラーレス
メリット・・・一眼レフに比べて、コンパクトながら性能は高機能で仕上がりはとってもきれい!
レンズ交換ができるので、自分が撮影したい被写体によって最適なレンズを選ぶことができます。
自分が撮りたい水中写真の好みが明確になってきたら、その要望に応えてくれるカメラだと思います。
コンデジと一眼の中間に位置し、「コンパクトなカメラがいいけど、自分好みの写真を撮りたい!」「きれいなな写真が撮りたいけど一眼には手が出ない。」というダイバーにはもってこい!
デメリット・・・コンデジに比べて高価。
ワイド、マクロに特化したレンズを装着している場合、水中で交換することができない。
(どちらにも対応できるレンズももちろんあります。)
・一眼レフ
メリット・・・水中カメラの最高峰!画質や写真の仕上がりは、本当にきれい!
レンズの種類も豊富で、被写体によって変えることができるため最適な装備で水中写真にのぞむことができる。
デメリット・・・重量があり、大きさも大きくなりますので「初めての水中カメラ」に選ぶものではないです。
価格が高い。自分の予算を考えて選びましょう。
カメラの本体価格よりもハウジングのほうが高いことが多く、カメラ機種によって多数のメーカーがハウジングを出していることがあります。また、同じ機種のハウジングでもメーカーによって操作性やオプション機能、価格がことなってきますので、慎重に選ばれることをおすすめします。
※失敗できないものなので、水中カメラに詳しいインストラクターに実際の使用した様子や撮りたい写真の好みなどを相談しながら選ぶといいですね。
■ハウジング
陸上用のカメラでも「防水15m」といった水中にそのまま持っていくことができるカメラもありますが、シュノーケリングにはとても便利ですがスキューバダイビングではあまりおすすめではありません。
スキューバダイビングの最大深度は40mですので、耐圧深度を越えてしまったり岩などにぶつけて破損してしまうこともあるからです。
そのため、「ハウジング」という耐水、耐圧のケースにいれます。
ハウジングは、どんなカメラでも使用できるわけではなく、適応機種の唯一のものとなっています。
■スナッピーコイル
大切な小物のための命綱!カメラやライトなどを水中にもっていく時にうっかり手も放して、なくしてしまわないようにするためのものです。
フックの部分をBCDにひっかけて、水中で使う時だけバックルを外すとびょーんと伸びてくれるストラップです。
波や流れがあるときなどは、特に役に立ちますね。
大切な物を、なくしてからじゃ遅いです。海は広いのでなくし物はなかなか出てきません。
準備万端で水中を楽しみましょう!
※ストロボを装備したミラーレスや、一眼レフの重量には耐えることができませんので注意してください。
さらにきれいな水中撮影をしたいと思うと、水中の色味をきれいに出すことができる「ストロボ」や「ライト」、「外付けレンズ」などもあったほうがいいですが、まずはコンデジ+ハウジングとこれの2つがあれば手軽に始めることができます!
セッティング方法
さぁ、必要なものがそろったら、次はセッティングです。
・カメラ本体、バッテリー、充電器、SDカード
・ハウジング、シリカゲル(乾燥剤)、Oリンググリス(専用のもの)、Oリングリムーバー、綿棒
・セイムタオル(繊維が出ないタオル。あれば便利!)
必要なものは、ポーチなどにまとめておくと便利ですよ。
①カメラ本体に充電したバッテリーとSDカードを向きに注意して装着します。
②ハウジングを開き、溝からOリングをOリングリムーバーを使用して取り出します。
(リムーバー以外の先のとがったものや爪で無理に取ろうとするとOリングを傷つけてしまうので、やめましょう。)
③Oリングの入る溝を綿棒で掃除します。なるべく綿棒の繊維が出にくい固めに巻いてあるものを使用しましょう。溝と反対側のOリングがあたるところも忘れず掃除します。
④Oリングを専用のグリスを使用して、グリスアップします。薄く全体に伸ばしていきます。この時にOリングを引っ張りすぎないようにしましょう。グリスの使用量は米粒くらいといわれていますが、各メーカーにより推奨されている量が違います。ちなみに人気のオリンパスカメラは多めをおすすめされています。ゴミなどを丁寧に取り除きます。
砂、塩、髪の毛やほこりなどがついていると水没してしまいます。指先の感覚で異物がないか確認していきましょう。
(グリスはメーカー専用のものでないと、水没のリスクにつながります。)
⑤Oリングをハウジングの溝に戻します。ねじれやゆがみがないか気を付けながら丁寧にはめます。
⑥カメラ本体をハウジングにセットします。
⑦シリカゲルをハウジングの所定のところに入れます。
(ハウジング内の結露を防ぐものです。1日のダイビングごとに交換をおすすめします。水分を含んでしまっているものだと効果がありませんので。)
⑧Oリングの周りや閉めたときにOリングが当たるハウジング側のところにゴミなどがついてないか、指でなぞりながら最終確認をします。
⑨ハウジングのふたを閉じ、しっかりロックをかけます。
(ストラップのひもなどが挟まっていないか確認をします。)
⓾電源を入れカメラが問題なく作動するかを確認したら、完成!
カメラのセッティングは室内ですませておきましょう。屋外や船上ですることはおすすめではありません。
また、慌ててセッティングすることがないようにダイビングの前日までに済ませておくのが理想的です。
※飛行機乗る場合は気圧で開かなくなってしまうことがありますので、密閉しないようにしましょう。
グリスを拭き取ったり、セッティング中に手を拭いたりするときに繊維がでるタオルやティッシュを使用すると、Oリングに付着してしまうことがありますので、繊維が出ないセイムタオルがおすすめです。
コンデジ・ハウジングの準備方法-動画-
セッティング(組み立て)方法の詳しい動画がありましたので、参考にしてみてください!
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一眼レフのセッティングはこちら↓
ストロボのセッティングはこちら↓
水中カメラのダイビング前の注意点
セッティングが終わったら、ダイビング前に「水没チェック」を行います。
ダイビングサービスやボート等にカメラ専用水槽が用意されています。施設案内を聞いて、確認しておきましょう。
①まずは3~5秒、カメラ全体を水槽に沈めます。大きなゴミや、Oリングの不具合などで水没がないか一度水からあげて確認します。
②①が問題ないことが確認出来たら、次に30秒程度水槽に沈めOリングの周りから定期的な気泡が出ていないか観察します。一度水からあげて、内部に水が浸入していないか確認します。
(ハウジングの周りについている泡は水没ではないです。定期的にププププ…と出続けていいる泡が目印です。)
③②が確認出来たら、2~3分程度長めに沈めて確認します。小さいゴミなどで浸水がないか確認します。
※カメラ水槽に沈めたままその場を離れることはしないようにしましょう。ハウジングにシールをはったり、目印をつけておくのも取り間違えや盗難の予防にもなるのでおすすめです。
ダイビングポイントまでの移動や準備の間は直射日光に当たらないようにしましょう。
ハウジングないの温度が上がってしまい、水中に入った時に結露の原因になるからです。日影がない場合は、タオルなどに包んで日差しを防いでください。
ダイビング後のカメラメンテナンス方法
ダイビング後は、海水がついたまま乾燥させてしまうと塩が固まりボタンの作動などに問題が起きてしまうことがあります。
真水で海水を落としてあげます。
カメラ専用水槽に沈め、電源を切った状態で各ボタンを押して塩抜きしましょう。
水槽につけておく時間は長くても30分以内にします。
水槽は水深が浅いため水圧がかからず、長く水槽内に放置すると水没の原因となってしまいます。
エキジット後、真水があるところまで時間がかかってしまう場合は、海水が乾燥しないようにすると塩かみのリスクを少なくすることができます。
真水で塩を落とした後は、水気をしっかり拭き取ってからハウジングをあけます。
この時も、セイムタオルはとても便利ですよ。もちろん、自分の手や髪の毛から水が垂れないようにしておきましょうね。
ダイビングで写真を撮り始めると、ついつい夢中になりすぎてしまってマナーやスキルがおろそかになってしまうことも見受けられます。
安全に、みんなが気持ちよくダイビングができるように心がけていきましょう。
それでは、水中写真撮影で楽しいダイビングライフを!